2007年6月15日。
この日、ご近所のサボテン農家さんからモンキーバナナ?の子株(穂)?を頂きました。

初めて見る物でしたので、その大きさにびっくりしたのと根っこのほうが黒ずんでいましたので、これで本当に根が出るのかと疑いましたが、人の背の高さぐらいで実が成るとお聞きして、「うちで、食べられるくらいになるのでしょうか?」とたずねると
「それは腕次第かな〜?」といわれ、冗談と知りつつも職人魂に火がついてしまいましたのでチャレンジすることにいたしました。

まずはバナナについて知らなければと思い、ネットで検索すると次のようなことが分かりました。植物を知る事によってどんどん興味が深まっていきます。

バショウ科バショウ属

一般名:バナナ(Banana)
学名:Musa acuminata(ムサ・アクミナータ )
別名:ミバショウ(実芭蕉)
原産地:インドやマレー半島
ユーラシアの熱帯地域に約50種が知られる。花は大型で、基部に雌花群、先端部に雄花群がつく。昼咲きの種では鳥類が、夜咲きの種ではコウモリが花粉を媒介する。

Musa acuminataとは、
甘みの多い生食用のバナナの事。栽培バナナの起源と考えられているM. acuminata は本来、果実の中には直径1cmほどの黒くて堅い種子がいっぱい入っていますが、いまの栽培バナナのほとんどは受精しなくても果実が大きくなる無種子の二倍体品種や三倍体化して種子なしになった品種です。種子ができないので、繁殖するときは根元からできてくる吸芽とよばれる小さな植物体を切り離して栽培します。  

このほかにプランテ−ン(plantain)と呼ばれ甘みの少ない料理用のバナナ(リョウリバナナ 、バナナとリュウキュウイトバショウとの交雑三倍体)がたくさん栽培されていて、生食すると渋いのですが加熱するとおいしくなるそうで、単なる呼び方の違いだけではないようです。

特徴
バナナは大きな葉をつけた、一見ヤシの木に似た植物ですが、厳密にいえば樹木ではありません。直立した茎のような部分も実は茎ではなく、葉のつけねが茎を取り巻いている葉鞘という部分がたくさん集まったもので、茎でない茎という意味で偽茎とよばれています。本当の茎は土の中にあります。  

栽培
バナナは極めて古くから人類の改良の手が加えられてきた植物で、世界の熱帯地方で広く栽培されています。冬の寒い地方ではもちろんのこと、野外では育たず、冬期加温が必要で、バナナ農家の方によるとバナナの栽培には30℃くらいが最も適しているそうで、15℃以上で管理すれば植物はいたまないということです。 最低でも10℃は必要。

株分け
育てていると吸芽といって、株元から子供が出てくるので、吸芽が20cm以上くらいに育ったら、親株を傷つけないように注意して、それを根をつけて切り取って別の鉢に植えます。
バナナは実がなるとその木は枯れてしまうので、吸芽は後継者となる元気のいい1本を残してとってしまうほうがいいそうです。
吸芽
にもいろいろあって、大きく分けると「水吸芽」と「剣吸芽」があるそうです。
水吸芽は吸芽がまだ小さいうちから広い葉が出ます。剣吸芽はたけのこのような形で、細長い葉がついています。剣吸芽のほうが芽の成長も早いようです。 剣吸芽のほうがその後の成長がよく、実も多くなるそうです。でも、よほど上手に育てておられない限りは、一般家庭ではこの芽が出てくることはないそうです。

水やり
盛夏には日没くらいに鉢の底から流れ出るくらいをあげると、夜間の成長が早いそうです。夕方には土の表面はかなり乾いているので、夜間の成長を妨げないためにも水が必要。
9月になると日中のほうが成長が大きくなり、夜間はあまり成長しない。土の乾き具合も落ち着いてくるのと、夕方水をやるとせっかく温まった鉢が冷めるので、日没時でなく朝に水をやる。  

豆知識
バナナによく似た植物で私達に身近なものはバショウです。バショウはバショウ属の中で最も耐寒性があって日本の野外で育ちます。また沖縄で栽培されるリュウキュウイトバショウ (M. balbisiana) はバショウに次いで耐寒性があり、偽茎から繊維を取って芭蕉布を織ります。

バナナは青いまま刈り取られ、輸入される、ということはよく知られていますが、これは日本に着く間に黄色くなって食べ頃を迎えるからだと思われがちですが、実際は違って、熟したバナナでは病害虫がつく恐れがあるので、植物防疫法により、青いバナナしか入国できないきまりになっているのです。そのため専門の業者が、エチレンガスにより熟成させ、黄色くしてから出荷するそうです。

栄養価
ジャガイモに匹敵するほどエネルギーの高い果物。バナナに含まれるデンプンは消化がよいので、幼児や老人、病人食にも最適。カルシウム・カロチン・食物繊維・カリウムなどをたっぷり含んでいる。

保存方法
寒さに弱いので冷蔵庫は厳禁。一度でも低温にあたるとおいしく追熟しないので注意する。すぐに食べない場合は、面倒だが一本ずつビニール袋に入れて密閉すると、通常より長持ちする。房のまま置いておくと、接触面が多くなり傷みやすくなる。

品種
フィリピンバナナ:キャベンディッシュという品種が中心。日持ちがよく肉質がなめらか。 台湾バナナ:肉質がねっとりと濃厚で甘みが強い。
モラード:レッドバナナとも呼ばれる。果肉はクリーミーで甘みと香りが強い。
モンキーバナナ:小型でやわらかく果肉が甘い。皮が変色しやすく、日持ちはよくない。

    
6/15

バナナの穂だと思っていた物は吸芽と呼ばれる、バナナの株元から出る子株だったと、後から調べて知りました。
とりあえず、10号陶器鉢にこのまま黒い部分を埋めて植えておく事にいたしました。

おき場所はやや日陰です。

埋めてしばらくは、当然のことながら土があまり乾かなかったので、水遣りは控え気味にしていました。
腐ってしまわないか心配です。



8/1

植えてから約一ヵ月半最初は萎れていて元気の無かった葉っぱも最近はしゃんとして次々と新しい葉を出すようになりました。
そろそろ日当たりの良い所へ引越ししてもいいでしょう。

良く見るとバナナの株元から根らしき物が横に伸びてきていました。調べたところバナナの根は浅く横に広がる性質があるそうです。強い風から株を守る必要があるからでしょうか。
そろそろ肥料を与えなければと思っていますし、横に根が広がるのであれば、根がまわったら大きい鉢に植替えようかと思います。
























     
8/15

地際から吸芽が出てきています。
これは「水吸芽」のほうですね。
剣吸芽の方ではありませんが、調子の良い事には変わりないでしょうね。

大きくなったら外してこれを新しい子供にするそうですが、どのくらいのタイミングがいいのでしょう?
この穂を頂いた大きさからすると、親木自体が少なくとも今の3倍位にならないといけないかな?

根が張り出していましたから、与えた肥料に触れて根が焼けたりしないかと心配でしたが、相変わらず葉の色も鮮やかなグリーンで良いようなので一安心です。


8/10

そろそろ肥料でもあげてみようかと、家庭菜園用に作った、EMぼかし肥料
(米ぬか・牡蠣殻粉・蟹エビ殻粉
            菜種油粕・骨粉・魚粉)
を、虫が湧くの防ぐため軽く土を掘って埋めてみました。














9/10

肥料が効いたのか、1週間に一枚くらいのペースで葉がどんどん出てきています。目に見えて大きくなっていくので育て甲斐があります。
しかし、当園は10月下旬くらいにならないと暖房しない時もありますので、それまでに成長が止まってしまわないか心配です。

吸芽は邪魔になるほどには大きくなってこないので、これはこのまま大きくして、親木が衰えてから切り離すことにしました。









9/16

!!
葉がなんとなくいつもと違って見えたので、よーく観察してみたらダニが付き始めていました。
葉の裏側に多くいますが、ナミハダニのようですね。

注意していたつもりですが、数が増えてこないと発見しづらいくらい小さいので見落としていました。

粘着くんスプレーでダニを固めて退治しました。

 

    
2007/10/1

最初に植えた鉢は小さめで、丁度根もまわった頃だったので、植え替えることにしました。
ぴったりの白い陶器を手に入れましたので、これでグッと見た目が良くなりましたね。観葉植物として置いておいてもいいくらいに見えます。

鉢を抜いたときに根を見てみたら、もっと太いものかと思っていましたが、数本太いのがあるだけで、結構細い根が沢山走っていました。
めったにバナナの根なんて見れるものではないので、皆さんにもお見せしたかったのですが、「スゲースゲー。」と一人で興奮して夢中で植え替えをしてしまい。すっかり写真を撮るのを忘れてしまいました。

スイマセン <(_ _)>
          


2008/6/11

昨年10月に植え替えてから、ずいぶんと日数が経ちましたが、冬の間は最低温度12℃位の温室でちゃんと冬を越しました。

5月頃からまた成長をはじめ、上の写真と比べると、やはり一回りほど大きくなっているようですね。







明らかに鉢が窮屈そうになってきましたので、ここらで植替えをしてみようかと、右側の鉢を用意いたしました。

土の中がどうなっているのか楽しみです。

 

    
6/11

所々に太い根があり、その周りに細い根が張りめぐらされています。

親木から出てきた吸芽ですが、これを残して、次の代の株を作るという事らしいのですが、ここらで採らないと、これ以上大きくなってからではタイミングを失うのでは・・・・・。

よし!思い切ってやりますか!


まずナイフで、吸芽の周りを円を描くように垂直に差し込み、根を切りました。
その後、出来るだけ深めに斜めにナイフを差し込み吸芽に出来るだけ組織をつけて切り離すようにして、親株と切り離しました。白くて、滑らかな茎の断面が見えます。
バナナは土の上に出ている所は葉っぱが幾重にも重なってできたもので、土の中に茎にあたる部分がある植物だそうですが、恐らくこの白く見える組織が茎では無いでしょうか。
なんとか、最初に頂いた時に状態に近い形で採穂できたのでは?


採った吸芽を早速土に挿してみました。
風でぐらつかないように、木の枝で支えてあります。
頂いて初めて植えた時の芽は切り口が真っ黒くなっていて、半乾きになっていましたが、そうするものなのか?どうかも分からないので、今回は切ってすぐに植えてみました。

親木のほうは、植える予定だった鉢に合わせてみたところ、思いのほか小さかったので、この夏の収穫を期待して、もう一回り大きいテラコッタに植え替えいたしました。
春に京都府立植物園へ出かけた際に観たのですが、モンキーバナナといえども、どうやら最低でも人の背ぐらいにならないと実が付かないようです。


7/1

植え替え直後は、なんだか茎の色が黒ずんだように見えて、少し心配しましたが、20日ほど経って新しい葉も伸びだしてきて、元気になってきているようなので、外に出しました。お日様や雨を直接受けて元気に育ってくれるでしょう。

植え替えした際に、吸芽を切り離し株分けいたしましたが、なんともう新しい芽が伸びだしているではありませんか!
ひとつ付いている時には全くそれ以上出てこなかったので、必ず1本づつ出てくる性質なのでしょうか?
だとしたら、植物自信が、吸芽が切り離されていった事をちゃんと分かっているという事になりますね。
面白いですねー。








  切り離して株分けした吸芽の方です。

最初は、やや葉もたれ下がり気味で元気が無かったのですが、今は新しい葉もまっすぐに突き出るように伸びてきていますので、この様子なら恐らく土の中も発根してきているでしょう。

    
7/20

バナナの吸芽は一本にひとつと思っていましたが、
これは!

なんともう一本出てきているではないですか。

バナナは実が生ったらその木は枯れるそうなので、最初から一本だったバナナはいつまでも、毎年実の生る木は一本しか手元に無いものと思っていましたが、この調子なら徐々にですが、増やせるのでは?

(*゚ー゚)ニヤッ



8/6

暑い!暑すぎる!
名古屋の夏は蒸し暑いので有名ですが、この所の暑さは記録的です。一日一回の水やりでは、バナナが持ちこたえられません。
水分が少なくなってくると、さすが南国の植物。
葉が萎れているのではなく、恐らく意識的に閉じて日にあたる部分を少なくしているのではないでしょうか。ぺったんこになっています。





先月もう一本出てきた吸芽が、この段階で「剣吸芽」だという事がはっきりしてきました。
後から出てきたにもかかわらず、竹の子のように伸びて成長が追いついてきました。そして葉も細く特徴が一致します。
剣吸芽は、一般では出にくく、よほど調子が良くないと出ないばかりか、実もたくさん生るそうなので、大切な次の子株に育て上げたいと思います。大きくなるとこの細い葉は、どんな姿になるかも楽しみです。



9/27

えっ!
あのバナナがこんなに大きくなったって!!

違います違います。これはこの秋に市場に行って偶然見つけたバナナの木です。品種は提示してなかったのですが、これがモンキーバナナだとしたら・・・・かなりショックです。
とんでもないものに挑戦していることになります。(^_^;)
入るハウスがありません。

木の大きさの割りに鉢がとんでもなく小さいんですけど?
本当にこれで育ててたのか・・いや・・普通無理でしょう。

これ実付きバナナですから、実が熟したら木は枯れますよね。それまでの鑑賞期間ですから非常に高いものになります。
市場販売価格からすると、店頭販売価格6万〜10万位になるのでは。



バナナの実の部分のアップです。
まだ緑色をしています。夏に花を咲かせ実を付けたバナナは翌年5〜6月に色づいて食べられるような事を何かで読んだことがあったのですが・・。
色づき始めると、あっという間だそうですので ここまで大きくなっていればそんなに待たなくても食べられそうな気がします。

完熟バナナ
おいしいのかな〜 (⌒¬⌒*)ジュルリ

 って、言ってますけど、実は私バナナ食べられないです〜〜 ・゚゚・(>_<;)・゚゚・  バナナアレルギーなんです〜。


若い頃は食べても平気で、今も大好きなんですけど、食べた後吐きそうになるんです〜。

こんな風に実が生ったら、社内のみんなに食べてもらって、「おいしい?どう?おいしいの?」って聞くしかないんです〜〜。
                               ?
でも、触ったり樹液がついても問題ないみたい。(・_・ )


 

    
2009/1/5

いや〜ついに2回目の冬に突入してしまいました。

温室があるので、特に冬越しには困らないのですが、今年こそは何かしら進展がないと、この企画自体が、冬・・眠し・・てし い・・そ で ・・ す・・ZZZZ
 
              o( _ _ )o zzz..........  (。゚ω゚) ハッ!


6/11

なっ!なな・・なんと!  バナナに花が!


そして、この後の花の様子をじっくり記録に撮って・・・
と楽しみにしていたのに・・・・うぅっ 

思いもよらぬ事件が。









すっかりあきらめかけていた矢先。いつの間に出来ていたのか?バナナに花芽ができていました。



























おかげさまで、体は良くなったのですが、帰ってきたらバナナがこ〜んなにも伸びちゃってて、雨が多かったんでカビっぽくなってて、先っぽの方は駄目かもしれないんですが、なんとか元の方でいくらかは実が着いてくれそうです。

7/21

ハッΣ( ̄Д ̄;)

いきなり7月しかも下旬?!ガ〜〜ン
実はネット管理人(私)が、この前の画像の数日後、緊急入院しておりました。
この間の画像を撮っておいてもらうよう頼む間もない程急でしたので・・
したがって、 この間の画像がありません!
無念!!



10/2

大きくなって吸芽も伸びていましたので、株分けもかねて寒くなる前に植え替えてをしました。














1月には小さかった奥の鉢が右のようになりました。
根を付けないで穂だけを切り離しても育ちますが、前回結構萎れたので、寒くなることですし大胆にノコギリでいくらか根を付けて切り離してみました。

大きい方は来年花を着けてくれる予定?です。
   


10/11

数日前から急に色が黄色くなってきたかな〜?と思い、
もしや傷んできたのでは?という不安も抱えつつ見守って
いると、みるみる色づいてしまいました。





表面に「シュガースポット」と呼ばれる黒い点々まで出始めたので、収穫しようと見てみると、すでに完熟したバナナの頭のところで半分もげているのです。
触ったのがいけなかったのかな?と思いましたが、その後の果実も完熟した状態になると触ってもいないのに、自然にもげていく事がわかりました。
自然界ではそうやって木の上から落ちて色々な動物に食べられるのでしょうか。

10/11

普通のバナナ同様つるんと剥けます。


これはこれで、商品といっても良い位の
可愛らしさがあります。


一口でも食べられそうですが、食べる方も
「実際に味の方はどうなんだ?」と
恐る恐る口に運んでいます。

どう?どう?
・・・うっ、うそっ、うまい!
お世辞抜きで買ってきたバナナのように
バナナの芳香も芳醇で甘みもあって
おいしいそうです。



断面も原種バナナにあるような大きな種は
見当たらず、品種改良された今時の
バナナのような黒い種のなごりがあるだけ
です。




   


このバナナの木自体が1m20cm程しかありませんので、この位の果実しかならないのか、それとも鉢で育てるからこのくらいなのか?
それは今はまだわかりません。手のひらの中に隠れてしまう程の小さなバナナですが、思えば育て始めてちょうど2年と4カ月かかって、やっと実ったバナナです。

バナナは実を着けるとその木は役目を終え、新しい吸芽に未来を託して枯れていく植物です。今日まで頑張ってくれて

       あ り が と う

バナナに感謝の気持ちをこめて、後輩の佐藤君に食べてもらいました。

だってわたし、バナナアレルギーだから ・ ・ ・ ・  。





まとめ「バナナの実を付けるには」

バナナは実が付くとその木は枯れてしまう植物です。どうやら株元から出てくる吸芽を全て採って株分けをすると、後を託す子株が無いため、生理的に親木も実を付けない気がします。
増やしていくときは、吸芽を40cm前後で採りながら、植替えをし、実を付けたい株は植え替えてから2年位育てた株を選んで、吸芽を1〜2本残して大き目の鉢に植え替えたまま放置し、夏に花が来るのを待ちます。



バナナの栽培は今後も続けますが、一応今回をもちまして
「いただきモン記ー」は終了いたします。
長い間ご愛読頂きありがとうございました。 (^o^)/~~~

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