クレマチス
学名:Clematis
科名:キンポウゲ科
属名:クレマチス属
性状:落葉蔓性多年草
原産地:主に北半球

250〜300種の原種が自生しており、国内で入可能な品種数は300〜400種にのぽると言われています。多くは落葉性のつる植物ですが、直立性のものや、常緑性のものもあり、開花期も花形もさまざまです。


品種紹介

* ここでご紹介する品種名につきましては、輸入業者から頂いた資料から引用したものです。これらの名称を参考にしたり、引用する事について当園は 一切の制約はいたしておりませんが、引用にあたっては全て個人の責任においてご使用ください。ついては、育種者や権利者の権利を侵害するような行為や、不利益を与えるような行為はおやめ下さい。また、それによってなんらかのトラブルが発生した場合も当園は一切の責任をお受けいたしませんのでご了承ください。

今回掲載しております品種はすべて、イギリス・ガンジー島に農場を持つクレマチスの育種家、「Reymond Evison レイモンド・エヴィソン氏」のコレクションで、ご紹介している2つのシリーズは全て新旧両枝咲きと呼ばれる性質です。クレマチスの栽培歴も短くこのシリーズしか栽培したことがありませんので、ここではクレマチス栽培の基本と「新旧両枝咲き」のタイプの栽培についてのみ解説しております。
リーガルシリーズ
リーガルシリーズその魅力的でボリューム感のある花形が特徴の大輪品種で、半八重〜八重の品種です。従来の品種と違い、二番・三番花も綺麗な八重になります。開花が早いので、最初はコンパクトに小鉢でも咲かせられます。花径12〜15cm
咲き始め 開花した状態
アークティック・クイーン 最も花付きの良い八重の品種です。透明感のあるクリーミーホワイトの花が最大18cmの大きさになります。花後の果球も綺麗なので、秋の開花後はそのまま楽しめます。
ジョセフィーヌ ブロンズ色の6〜8枚の花弁が初めに開き、徐々にライラック色に変わって行きます。中心部の花弁が後からゆっくりと段階的に開き三層のボリュームに見えます。
 
フランシスカ・マリー 舌紫の八重の花が繰り返し咲きます。
クリスタル・ファウンテン 日本で育種されヨーロツパこ渡った品種です。ライラックブルーの八重の花が繰り返し咲いてきます。
ガーランドシリーズ
花もちが大変良く冬は日当 たりの良い場所で1ケ月以上、夏は半月以上もちます。小鉢から大鉢まで色々な魅せ方が 可能です。もちろんガーデニングにも使用できますが、プランターの寄植えに使用するとワンランク上の アレンジができます。花径8〜12cm
ビエネッタ 外側のクリーミーホワイトの花弁と中心部のポール状に密集した紫色の花弁が魅力的な花を演出しています。外側の花弁が先に落ちて中心部がボール状になったまま数週間残ります。
カシス
時折4枚弁になることも
プラムレッドの完全八重咲きの品種です。外側の6枚の花弁が先に落ち、中心部がボール状に残ります。それから中心部の無数の小さな花弁がゆっ<りと開いていくので大変花もちが長いです。
 
ピスタチオ 6枚の花弁が重なりあい、丸みを帯びた花形を作ります。花色は暑い時期はクリーミーホワイト、気温が下がる時期lこはライム色になります。短い雄しべとピンクががったグレ−の雌しべが花の中心でアクセントになります。花後は退化した柱頭が緑色の房になります。
ペバーミント 薔薇のように美しい完全八重咲きの品種です。花色は暑い時期にクリーミーホワイト、気温が下がる時期にはライム色になります。外側の6枚の花弁が先に散り、中心の薔薇状の花弁が残ります。そして中心部には先の尖った小さな花弁が沢山集まります。

置き場所
日当たり風通しがよいところを好むので、年間を通して半日以上日が当たる戸外に置きます。しかし数時間しか日が当たらない場所や明るい半日陰でも花を咲かせることはできます。地面に直接置くと鉢底から伸びた根が地中に広がり、移動できなくなります。鉢を置くときはコンクリート板などの台にのせ地面からはなして置きます。


水やり
水が好きな植物です。鉢土の表面が白く乾いていたり、つるの先端や葉先が垂れ気味になっていたら水が欲しい合図です。春先は暖かい日の午前中に鉢底の穴から出るまでたっぶり与えます。暖かくなるにしたがって土が乾くのが早くなり、夏場は特に土の乾きが早くなるので、朝と夕方の2回水やりします。夕方には葉水も与え、できれば鉢のまわりにも打ち水をしてできるだけ地温を下げます。

庭植えの場合は、ほとんど水やりの必要はありませんが、ひどく乾くようなら様子を見ながら水を与えます。

肥料

「液体肥料」
春に新芽が動きだしたら、月に2〜3回、液体肥料を水やり代わりに施し始めます。 本格的な成長の前なので、規定濃度の倍に薄めて使います。

「 置き肥と液体肥料を併用する」
肥料を好みますので、
一度に沢山施す必要はありませんが、必ず生育中は肥料切れしないように定期的に施します。休眠から覚めて活動し始める3月中旬ごろから9月まで、緩効性化成肥料を1ケ月に1回置き肥し、速効性の液体肥料を3月中旬から月2〜3回施します。真夏には置き肥を中止し、液体肥料のみを施します。多肥にすると、大きくなりすぎて花弁が垂れたり、本来の花色で咲かなかったりします。

植え替え
適期:1月下旬〜4月中旬
クレマチスは深植えが基本
鉢に植えつける場合は深鉢を使い、植えるときは1節以上を土の中に埋めます。地中では節問が詰まって伸びるため、1芽埋まっているだけでも、複数の芽が伸び出して、早く株立ち状に育ちます。

左、
早春、地際から芽が伸び出してきた様子。

植えつけに使う土
クレマチスの根は、平地に自生する太根性のものと、高山帯などに自生する細根性と中間タイプがあります。細根性のものは、腐葉土を小粒の軽石に替えた水はけのよい土を使って、鉢で栽培します。当園の品種は
太根性ですから、水持ちの良い土に、赤玉土・鹿沼土の中粒・完熟腐葉土・パーライト少々をまぜ水はけを考慮した基本の土を使います。市販の培養土を基本に、少量の赤玉土や完熟腐葉土を混ぜて作っても結構です。

1・2年生株
苗を育てるために鉢に植えつけます。根がすっばり入る深鉢を用意しましょう。鉢を逆さにして手で受け、そっと株を鉢から抜いたら、根を切らないように根鉢の底と肩の部分の土を軽くくずして、一回り大きな深鉢に1節理まるように植え替えます。根鉢が崩れて根がむき出しになっている場合は、根と根の間に土が入るように、
少し土を入れてから、根を広げて植えつけます。根を傷めないようにこの時点で支柱を立てつるを支柱に留めます。

3年生株
鉢にも庭にも植えつけが可能です。庭への植えつけは、
1月下旬〜4月中旬か一番花が終わったあとで日当たりのよい場所を選び、根鉢よりも二回り大きな植え穴を掘ります。掘り上げた土に2割ほどの腐葉土・完熟堆肥を混ぜ合わせ、2節を土の中へ入れて植え込みます。夏に株元に日が当たっていると地温が上昇し、夏の間に根が弱ってしまうのであまり大きくならない雑草はあえて残しておくか、横に広がるタイプの1年草を株元に植えておくと有効です。ただしインパチェンスの仲間を植えるとネマトーダにかかりやすくなることがあるそうなので、避けましょう。
鉢への植えつけは、
根鉢よりも一回り大きな深鉢へ1節は土の中へ入れて植えつける。支柱で根が傷まないように鉢の緑に立て、つるが交差しないように一方向に誘引する。


剪定・誘引(新旧両枝咲き)
適期:1月下旬から新芽が伸び出す前の2月末
休眠から目覚め、前年に伸びたつるの節々や地中から新芽を伸ばし始めますので、剪定と誘引を行ってください。新芽が動きだすと、あっという間にどんどん伸びます。このとき、強風でつるが折れることがないよう早めに誘引することが大切です。つるを剪定するときは、大きな芽の上で切るほど、よい花がたくさん咲きます。また、クレマチスは株立ちになるほど花数がふえ株の寿命も延びます。

誘引のコツ
春の一番花は、新芽が5〜10節(20〜50cm)ぐらい伸びたところで咲きます。 花の位置を想定して、少し低めの位置で誘引を止めることがポイントです。 つるの誘引は、1本ずつ斜め上方、同一方向に行います。上部に新芽が伸びるスペースをあけて、支柱の高さの1/3以下になるように誘引します。このとき、つるを支柱に絡ませたり、支柱の内側を通したりすると、支柱から取り外すとき苦労することになります。
つるは支柱の外側にくるように、ビニールタイでまず支柱にシッカリ締めた後で、ゆるめにつるをとめていきます。最初からきつく支柱とつるをとめてしまうと、つるが太くなった時に食い込んで折れやすくなったりします。
*つるは非常に折れやすく無理な曲げ方はしないほうが良いです。万一折れてしまっても曲がった程度なら、セロハンテープやそえ木で挟み込むように補強して固定しておくとコブ状になって直る事があります。


1年生株の場合
植えつけてから1年たらずの株は、地中からの発芽を促し株立ちにするために、つるの下のほうから芽が出ていても、地際で剪定する。

2年生株の場合
前年に伸びた枯れたようなつると地際から伸びてくる新芽があります。枯れたように見えるつるにも芽が付いて伸びてきます。新旧両枝咲きは古いつるから伸びた枝と新しく地際から伸びたつるとの両方に花を付けることが出来ます。しっかりしたつるに良い芽が付いている場合は地上部から1芽残して剪定して植え込む事ができます。



株立ちになっている場合
地際近くから太い芽が出ているつるは、その芽の上で剪定し、芽が出ていないつるは地際から切る剪定で花の数を調節する。丸く太った芽の上でせん定しますが、新枝咲きと旧技咲きの両方の性質を兼ね備えているため、ある程度強く剪定することが可能です。特に鉢植えの場合は、つるを切って鉢の大きさに合った花芽の数にすると、大きな花を咲かせることができます。芽数は、5号鉢で5〜6芽、6号鉢で10〜12芽が 目安です。つるが折れることもあるので、1〜2芽余分に残しておくとよいでしょう。

花後の剪定
花後に伸びた枝を1/3残して切る強剪定と花首の下1〜2節で切る弱剪定の両方が出来ます。強剪定にすると次の開花までの節数が多くなりボリュームができて、期間は1.5ヶ月位かかりますが、大輪の花を咲かせることが出来ます。弱剪定の場合は次の開花まで1
ヶ月くらいで咲き、新芽は短く小さな花を数輪咲かせます。いずれも花が終わり始めたら早めに終わった花を掃除したり剪定したりしたほうが株が弱らず、次の花を早く見る事ができます。

クレマチスを切るときのポイント!
節のすぐ上で切ると、つるが枯れ込み、芽まで枯れてしまうことがあります。節と節の中央で、もしくは、節から3cm以上離れた場所で切るようにしましょう。


病害虫
伸び始めた柔らかな新芽にアブラムシが集まります。株元へ粒状の殺虫剤などを置いて予防します。そのはか、シャクトリムシなどが新芽を食害します。よく観察して、早めに捕殺しましょう。
立枯病
ぐんぐん生育していた新枝や花や蕾が急にぐったりして枯れてしまう病気です。地上部だけに発生するので、たとえ地上部が枯れても、地中に節があればそこから新芽が出るので安心です。
うどんこ病
葉や茎が白っぽい粉状のカビで覆われる。市販の殺菌剤で防除しますが治療剤と予防剤があり、発生してしまっている場合には治療効果のある薬剤を使いましょう。(トップジン・サプロールなど)
葉枯病
葉の先から茶褐色になって枯れる。市販の殺菌剤で防除しますが治療剤と予防剤があり、発生してしまっている場合には治療効果のある薬剤を使いましょう。(トップジン・マイシンなど)
ネマトーダ
植え替え等の際には根を良く観察します。根にコブのような物が出来ていたらネマトーダに寄生されています。見つけ次第切除します。
 
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