学名
 英名

 科名 
 属名
 園芸名
 原産地
 開花期
 性状


Ceropegia sandersonii (セロペギア サンダーソニー)
パラシュートプランツ、アンブレラフラワー
ガガイモ科
セロペギア(ケロペギア)属
酔竜(スイリュウ)
南アフリカ、ナタール・モザンビーク原産
生育温度があれば周年
多肉性・常緑多年草つる植物

写真をクリックすると拡大できます。

  

 

セロペギアって?

ガガイモ科の植物で、カナリア諸島・アフリカ・マダガスカル・インド・中国南部に分布しますが、1種がニュージーランドとオーストラリアにも見られます。
本によると、本属の花は昆虫による受粉によく適応し、臭いに引き寄せられた昆虫が花の内部に侵入すると、上部に生える下向きの毛によって脱出が困難になり、動き回っているうちに内側にある柱頭に受粉する仕組みになっているそうです。
一風変わった花の形ですが、その事を知ってから良く見ると、なるほど生存競争に打ち勝つための植物達のすばらしい知恵に感心させられます。
この仲間には独特の弱い臭いを発するものが多いようですが、本種<Sandersonii>は鼻を近づけてもあまりにおいません。

属は違いますが、皆さんも知っている花の名前で、
「夜来香(エーライシャン)」という植物があります。
同じガガイモ科で、和名をトンキンカズラと言い、この花は夕方から夜にかけて良い芳香を放つ事で有名です。中国ではこの名前の響きが好まれるのか?良い香りのする植物の幾つかを「夜来香 」と呼んで混同されている場合があります。映画で有名になった花も、花の形から実は「チューベローズ」という花ではないかと思われます。
数年前に当園でも栽培した事がありますが、東京の「夢の島植物園」などで夏の終りから秋頃に問い合わせれば、実物を見ることが出来るかもしれません。
あまり頻繁に植替えなどをせず、肥料を抑えて育てないと蔓が伸びるばかりで花が付きにくくなります。
やや耐寒性があり葉を落としてしまっても地下茎で冬を越しました。

夜来香
学名:Telosma cordata

ハートカズラ
学名 : Ceropegia woodii


セロペギアは学名ですが、古くから栽培され、観葉植物としてすでに定着している「ハートカズラ」とは全く同じ仲間で、種類が違うだけです。ただこちらは結構耐寒性がありますが、‘サンダーソニー’はまだ十分な耐寒性のテストを行っておりませんので、その辺は未だ不明です。

Ceropegia sandersonii (セロペギア サンダーソニー)

* ここでご紹介する品種名につきましては、いくつかの図鑑 や園芸雑誌等から照合し引用したものです。これらの名称を参考にしたり、引用する事について当園は 一切の制約はいたしておりませんが、(登録品種を除く)引用にあたっては全て個人の責任においてご使用ください。ついては、それによってなんらかの不利益等が発生した場合も当園は一切の責任をお受けいたしませんのでご了承ください。 尚、新しい品種の情報やご指摘がある方はmailにてお受けいたしております。

開花期
未だ日本では馴染みの薄い植物なので、開花の条件や生理などは明確に判っておりません。開花した花の寿命は短いのですが温度と日照さえあれば年中咲いてきます。加温しなかった場合で、常温で花が咲き始めるのは5月頃からで、10月下旬位までは外でも咲いています。原産地から想定すると温度があって短日条件下が一番咲きやすいのではないかと思います。鉢に植えた直後よりも、株が大きくなって鉢の中が根でいっぱいに詰ってからの方が良く咲くように思います。

置き場所
日当たりの良い所で蕾をたくさん付けます。
<春>
夜間15℃以上になったら屋外の日当たりの良い場所で。
<夏>
明るい日陰でも育ちますが、午前中だけでも日が当たる所のほうが開花は順調。
<秋>
早めに屋内に取り入れて明るい窓辺で管理すれば、最低温度が15℃位あるまで咲き続けます。
<冬>
もともと多肉質の葉を持っていますので、冬は乾燥気味に管理した方が根腐れを起こさずに、冬越しし易いと思います。最低温度の目安は12℃以上。

肥料
春から夏に、液体肥料なら10日に1回程度、固形の緩効性化成肥料なら45日に1回位。いずれも通常の鉢花に与える表示濃度や量の半分位で結構です。

水やり
鉢土が良く乾いてから与えます。受け皿には水をためず、冬は乾いてから1・2日してからの方が良いでしょう。水をかける回数自体あまり多い植物ではないためか?、花に水がかかって花が悪くなった事はありませんが、蔓が良く伸びて生い茂るので、下に這う様に育てた場合は、地面が見えない程覆いかぶさると、雨や潅水によって汚れて蒸れた下の蔓が枯れる事があります。

植え替え・せん定
蔓が良く伸びて蔓同士や他の植物などにからみつきますが、伸びたとしても1年で1m〜2m程で。長くなりすぎて困った時は適当に切り戻しても差し支えありません。ただし秋口頃から多く花が咲き始めますので、8月以降の剪定は少しそろえる程度にしたほうが花が早く見れます。
植え替えは6月〜9月中旬までに、2年に1度ひとまわり大きい鉢に植え替える程度のほうが、花付きが良くなりますが、鉢に対して株が大きくなり過ぎて花が咲かなくなってきたら、根詰まりをおこしている可能性があります。その場合は植え替えをしてあげるとまた咲き始めます。
植え替えに使う土は、多肉質だからといって砂質にこだわらなくても結構です。むしろ砂質だと水分コントロールや肥料濃度の変化が激しいため、普通の培養土に植えて肥やし過ぎないように育てた方が管理し易いかと思います。

繁殖
横に這わせて栽培していると、隣の鉢に伸びていった茎の節が土に付いた所から根を出して活着します。剪定した時に切り戻した茎は、葉を数枚つけて5cm前後に切り挿し木で増やす事が出来ます。

病害虫

夏にダニの発生に注意すれば、それ以外は今のところ殆ど心配ありません。


花のみどころ

このなんとも変わった形状の花が開く様子をお楽しみ下さい。
蕾から咲くまでは、気温にもよりますが
大体1〜2週間です。

*写真をクリックすると拡大できます。

@茎から花芽が出来始めたところ A花の形らしい膨らみが出来始めています。


Bほぼ形が出来上がりました。開く直前です。膨らんだ花を見るとだれでも1度はしたくなるのでしょうか?
指で挟んで押すと
「ポフッ」と・・・
C完全に開きました。内側に毛が生えているのがわかります。上に見える黒い雄しべが傘状の柱の役目をしています。


花の大きさは、傘の部分が直径3〜4cm位です。
学名が馴染みにくいので、「学名」プラス「流通名」として何か良い名称は無いかと探していましたら、その形から英名では
Parachute plant パラシュートプランツ
Umbrella flower アンブレラフラワー 
と呼ばれている事が判りました。
無ければ、花の種類の少ない梅雨時期にも開花するので、
Singin' in the Rain
「雨に唄えば」とでもつけようかと思っていましたが・・・。


 
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